ある会社さんに伺ったときのこと。
社員さんから質問とも反省ともとれるこんな言葉が出てきました。

「以前無料オファーをだして集めたお客様。その後、ファンになり得たのだろうか?」

この質問から推測するに、無料オファーで集めたお客様に、その後のサービスの利用などをうまく提供できなかったようです。

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その言葉を聞いた時、頭に浮かんだのは、ある社長さんが話してくれた言葉でした。

自社で扱っている商品の中に自分も気に入っているものがあり、そこで「お客様にも是非使ってほしい」と、チラシに掲載したり、DMにも掲載して積極的にアピール。来店した方には熱心に説明をしていたそうです。

ところがいくら熱心に伝えても販売的にはあまり思わしくなかった・・・。

そこである時からお客様への対応を変更したそうです。

ちょっと、売り込むのやめたんですよ。
それよりお客様の話をしっかり聴いて、その悩みをどうすれば解消できるのか親身になってアドバイスすることにしました。

もちろん、自社の商品のことには触れずに・・・ですよ。

すると、あれだけ熱心に説明しても買ってくれなかった商品を買ってくれるようになったんですよね。
今では売ることに一生懸命になっていた時より、売上アップになってます。

さらには「買ってもらうためにはどうすればいいんだろう?」といった悩みからも解放されて、とても気軽になったそうです。

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お客様も含め、私たちは「売り込まれること」にとても敏感に反応します。

話し方や雰囲気、態度、視線・・・ といったあらゆる気配を察知し「あ、売り込みだな」と気づきます。

するとやっぱり身構えるんですよね。一歩引いて物事を見るようになるんです。

本当のところは、商品やサービスの良し悪し(使ってもないのに分かるわけもなく)ではなくて、話し手であるこちらのことを信用するに至っていないから身構えるのです。

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しかしこれが(自社の商品は横に置いておいて)お客様の悩みの解消にむけて真摯に対応する第三者的なアドバイザーになった時、どんな変化が起きるでしょうか?

きっと「売り込みの気配」は消えているのではないでしょうか。

すると、お客様もこちらに警戒を示すことなく、こちらのアドバイスを一生懸命聴こうとする・・・。

それから初めて「これ、ちょっと高いかもしれないけど・・・」とお客様のことを思って伝えれば、お客様も警戒せずにお買い上げしてくれるのではないでしょうか。

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そこで私は、冒頭の社員さんにこう伝えました。

もし、うまく商品やサービスの利用に繋げることができなかったとしたら、お客様に対してどんな対応をしたかちょっと思い出してみて下さい。

もし、まだ関係も何もできていないのに、いきなりこちらの商品やサービスのことばかり話されても、お客様も困っちゃうと思います。

なので、まずすべきは、お客様の悩みに耳を傾けること。そして、その悩みに対して親身になってアドバイスしてあげることです。

それで関係ができてくれば、お客様の方から自然と商品について訊いてきますから。その時になったら商品の説明してあげてくださいね。それまでは商品を買ってもらおうなんて思わないことです。

今回社員さんに伝えたことは、決して他人ごとではなく、誰にでも当てはまるだけに、自分も「相手に寄り添うこと」「悩みの解消に全力であたること」ができているかを改めて見直してみるよい機会になりました。