仕事でチラシを作ったり、ホームページのデザインをしていると
「この部分は目立たせたい!」
という部分が出てきます。

そんな時に
「黒背景に白文字にして目立たせよう!」
と思うことがあります。

しかし、この反転文字(「抜き合わせ」とも呼ばれるようです)、
「読みにくくなる」
という理由で、使わない方がよいというのです。

チラシやホームページには「読まれる」ことが目的の一つですが
読みにくくなる 
 ↓
読まれない理由になる
 ↓
反応に結びつかない理由

になってしまうため、チラシやウェブ制作者にとっては知っておいて損な話ではないと思います。

また、宣伝広告に携わっていなくても、会社で何か文書を作る時に
「反転すると読みにくくなるんだっけ・・・」
と知っていれば、反転文字をあちこち使って「読みにくい」文章にしなくても済みます。

しかしなぜ「反転してはダメ」なのでしょうか?
では逆にどんな時に使うとよいのでしょうか?

今回はその理由を、心理的原則と実験結果による事実からお伝えします。

反転してはダメな理由

そもそも、私たち人間の目が
「反転した文字を読むことに慣れていない」
と言われています。

そのため、特に字が小さい場合は、なおさら読みにくくなります。

その事を裏付ける実験をした人がいます。

(実験1)ホームズ氏と「重大な66インチ」

G.ホームズ氏が以下の様な実験をした。

被験者を文字が読めない距離に立たせ、フォントサイズは同じにした2種類のボードを用意。「文字が読める距離になるまで近づいてください」と伝える。

【結果】

  • 白地に黒い文字で印刷したボード(反転ではない)・・・66インチ(約168cm)の所で読めた。
  • 黒字に白い文字で印刷したボード(反転)・・・55インチ(約140cm)の所で読めた。

この結果から、『反転すると読みにくくなる』という実験結果がでた。

「現代広告の心理技術101」より参照

(実験2)ダニエル・スターチ氏と目玉の動きの流れ

広告研究家のダニエル・スターチ氏が以下の様な実験をした。

「これを読んで!」と被験者に大きい声で伝え、短いメッセージを読んでもらう。

【結果】

  • 反転していない場合・・・被験者は1秒当たり平均6語ほど読む事ができた。
  • 反転した場合・・・被験者は1秒当たり平均4語ほど読む事ができた。

この結果から、『反転すると読むのが遅くなる』という実験結果がでた。

「現代広告の心理技術101」より参照

ではどんな時に使うと効果的なのか?

例えば・・・

  • ウェブサイトや新聞などで、他の広告にぎゅうぎゅうに囲まれているとき。
  • 大きな文字で短いヘッドラインを書くとき。

など、「同じような体裁のものが並んでいる時」や「パッと見て分かる大きな文字を使う場合」は、効果的に目立たせることができるようです。

まとめ

いかがでしたか?

文字を反転すると

  • 読みにくくなる。
  • 読むのが遅くなる。

ということが、実験で証明されました。

しかし、「反転が悪い」ということではありません。

変化のない書面に変化を付けたり、反転する事で逆に読みやすくなることもあります。

肝心なのは「読みにくくなる」という事実を知った上で、ポイントを絞って使う事だと思います。

より「読み易い」文書作りに、今回の内容を活かしていただければ嬉しいです。