4ヵ月前に2,000部のパンフレットを納品させていただいたA社から、パンフレットが少なくなってきたので増刷して欲しいと依頼がありました。

修正・追加したい部分も出てきたとの事で、A社に伺い、次のパンフレットをどうするのかといった話し合いを行いました。

その中で気になるのは、やはり「結果」です。その点も伺ってみると・・・

前回のパンフレット、その後の効果はありましたか?

はい、おかげさまで!
お問い合わせが増えて、利用者さんも増えました!

と、嬉しい回答を頂くことができました。

しかし、今でこそ「パンフレット配布を起点に新規顧客を獲得する」流れができたA社ですが、最初にお伺いした時は「パンフレットを作る」という発想は無かったのです。

なぜ、パンフレットだったのか?

最初にお伺いした時、社長様からは「自社のウェブサイトの内容を充実させ、検索上位を狙って、利用者を集めたい」=「インターネットで集客をしたい」といった要望がありました。

同業社も多く、その中でこれからの事を考えてネット利用は不可欠だとの思いからでた言葉だと思います。

確かに私もネット利用は必要不可欠だと思います。何かあればネットで調べる時代です。まず検索された時に商品やサービス、お店の情報を知ってもらうことも含め、ネット利用の必要性はあります。

しかし、A社の商圏を考えた時、果たしてネット集客がよいのか?といった疑問がありました。

なぜなら、社長さんと話すうちに、

  • A社の利用者さんはA社から半径5km圏内の方ばかり。
  • A社のサービスは誰でも利用するものではなく、ある限定された方が利用するもの。

と分かり、利用者にはネットで情報を届けるより、折込チラシなどの紙媒体の方が効果的だと思ったからです。

さらに「現在の利用者さんがどうしてA社を利用するようになったのか」を伺うと、Bという職業の方がA社を紹介していると分かりました。(※AとかBとか、抽象的な表現になってしまい申し訳ないのですが、業種が特定されてしまうのでご了承ください。)

次に「Bの職業の方たちにどのようにアプローチしているのか」を伺うと、40枚くらいの資料をひとまとめにクリアファイルに入れて渡しているとの回答が返って来ました。

そして続けて

  • 内容が多すぎてA社の特徴・メリットが分かりにくいし、なにしろ重いので、ずっと持ち歩いてもらえるようなものではない。
  • 分厚い冊子をもらっていいものかと戸惑うBの人もいて、冊子が返却される事もあった

といった回答も返ってきたのです。

そこから、

  • パッと見て、A社の良さがわかるパンフレットにしてみてはどうか?
  • 要点を絞ったパンフレットにする事で、Bの人達もA社の理解が進み、その先の利用者さんに伝え易くなるのではないか?
  • 二つ折りパンフレットなら、バックの中に数冊入れておいてもかさばらず、いつでも利用者さんに渡してもらえるのではないか?

つまり

Bの職業の人が、A社の事を利用者さんに説明しやすいようにしてあげる。
その結果、利用者さんが増えるのでは?

と予測を立て、パンフレットを制作する事になったのです。

利用者をよく理解することが、自社の強みとなる

自社の利用者さんが、なぜ自社を利用しているのか?何のきっかけで利用するようになったのか?を知っておくことは、ビジネスをする上での強みとなります。

A社の例で言えば、『Bの職業の人に、分かりやすい資料を渡すこと』、さらに言えば『社長さんが根気よくBの人たちにアプローチし続けたこと』が売上アップの要因になっています。

では、あなたのお店では、どうでしょうか?

あなたのお店の商品の購入者、サービスの利用者をよく観察してください。

なぜなら、そこに「売上アップのヒント」が隠れているからです。

特に地域密着型のビジネスをされていれば、些細な事が「売上アップのヒント」になります。お店を利用する人がどの方角から来店するのか?だけでも、売上アップのヒントになります。

東からは来るけど西からは来ない ➡ 西の方に看板を出したら、道に迷わずに来れるのでは?といった予測を立てて、実際に案内看板を設置してみるのです。西側にチラシを配布したり、利用者がスマホ世代なら、地域を絞ってウェブ広告やSNS広告をしてみるのもいいと思います。

一つお伝えしておくと・・・
「集客対策」においてはこれが正解というものが無いという事です。実際に試してみないと、結果は分からないのです。だから、「すべて試してみる」というマインドで取り組む必要があります。

ですが、何の目星もつけずに集客対策に取り組むよりは、今、あなたのお店を利用している人を観察し、何かしらの予測を立てて取り組んだ方が『お客様にリーチできる』確率が高まる=売上アップにつながると思うのですが、いかがでしょうか?

もし、そう思うなら、今からでも利用者さんに注意を傾けてみてください。