これは、セールスライターの巨匠であり、「広告の父」と呼ばれる偉人 デイヴィッド・オグルヴィ氏の言葉です。
スマホ一つで、いつでもどこでも情報を入手できるようになった今、私たちは次から次にいちいちその情報に注意を払わなくなりました。
ある統計では「60%の人は見出ししか読んでいない」と言われており、興味のあること以外はザッとしか読まないといいます。
確かに、SNSの投稿やyoutube動画の閲覧などでも「飛ばし読み」が普通ですよね。
そこで重要になってくるのが
「どのような見出しにすればお客様の興味を引くことができるのか?」
ということになるのですが・・・。
人それぞれ興味を惹かれる対象も違いますし、考え方も状況も違います。
それでも「興味をひくポイント」はありますので、今回はその点をお伝えしたいと思います。
目次
原則:お客様の興味は「メリット」だけ
セミナーに参加しようかどうか考える。
ネットを見ていてある商品を買おうかどうか考える。
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その時に意識しているかどうかはともかく、頭の中で考えていることは
「それは自分にとって、どんな価値があるのだろうか?」
ということです。
例えば、私も様々なセミナーに参加していますが、その時に頭のどこか片隅で「このセミナーに参加すると自分はどうなれるのか」と考えています。
この「どうなれるのか、何ができるようになるのか」部分が、分かりやすく言えば、その人にとってのメリットです。
そこで見出しでも「その人のメリットになる事を伝える」のがポイントとなります。
相手の興味をひく見出しの例 8選
ここでは、よく使われている「見出し」の例を8つお伝えします。
ポイントは
「○○の部分以外は変えずにまねすること」
です。
理由は・・・『効果実証済みの見出しだから』です。多くの人が「見出し」を考え、効果を検証し、それでも今なお使われ続けている=効果が認められているからです。
自分が提供している商品・サービスは、その人にとってどんなメリットを提供できるのかを考え、SNS投稿やブログ、チラシの見出しなどに使ってみましょう。
1. ○○する方法
○○の部分は相手にとってのメリットを入れます。「~の方法を知ることができる」というメリットをストレートに伝える見出しです。
例)
- 多くの人の前でも緊張せず話せるようになる方法
- たったの1投稿でフォロワーを1000人増やす方法
- しつこい勧誘業者を3秒で黙らせる方法
2. あなたは○○でこんな間違いをしていませんか?
自分は大丈夫だと思っていても、本当にそれで大丈夫なのだろうか? やってみたけど一向に効果が見込めない といった悩み・不安を抱えている人には刺さる見出しです。
例)
- あなたはゴルフの練習でこんな間違いをしていませんか?
- あなたは集客でこんな間違いをしていませんか?
3. (何か秘密を知っていそうなエキスパート)の告白
「権威者・エキスパートの告白」なら、自分にはない経験や何か秘密を明かしてくれるのでは? といった興味を誘います。
例)
- 資格を剥奪された弁護士の告白
- プロトレーダーとして年商20億を稼いだ男の告白
4. なぜ(どうやって)○○するのか(したのか)?
こうなりたいと思う人にとって、テクニックやノウハウが分かるのでは? といった興味を誘います。この見出しをトップに持ってきたあとは、その人が今置かれている状況などを記述し、「このテクニックを使えば○○になる」といった未来の姿を伝える流れになります。
例)
- なぜ何人かの人は、株でいつも儲けているのか?
- どうやって私は1日4時間働くだけで生計を立てているのか?
5. 私に(短い時間)をください。そうすれば、○○ができることを証明してみせます。
短時間・短期間で、相手が望んでいる結果を手に入れられるとストレートに伝える見出しです。その後に続く本文中では、本当に実行すれば結果を手に入れられるのか、を伝えるための「証拠事例」などを列挙する流れになります。
例)
- 私に1時間下さい。そうすれば、あなたが望む就職先に受かることを証明してみせます。
- 私に7日間ください。そうすれば、あなたを別人にしてみせます。
6. ○○を手に入れたい人は他にいませんか?
自分の手に入れたいメリットをストレートに相手に伝える見出しです。1番の見出しの派生形といった感じで、よく使われています。
例)
- 体のゆがみを治して腰痛から解放されたい人は他にいませんか?
- 短い文章を書いてお金を稼ぎたい人は他にいませんか?
7. ストップ!(相手が嫌だと思っていること)をやめましょう。
相手が嫌だと思っていること、苦労していることを止めてください → 他にも簡単な解消手段がありますよ と推測させて興味をひきます。具体的な方法は見出しでは伝えず、この文章に続く本文中で徐々に「解決策」を明らかにします。
例)
- ストップ!苦労して新規顧客の獲得をするのはやめましょう。
- ストップ!体重が減らないと悩むのは今日でやめましょう。
8. ○○が欲しいあなたへ / ターゲットのお客様へ / (したくてもできないこと)のあなたへ
この見出しでは、相手の悩みを直接記述します。この部分である程度ターゲットを絞ることもできます。ほかの見出しと一緒に使うこともできます。
例)
- 30分で疲れを取りたいあなたへ
- 3歳の子をもつお母さんへ
- ネット集客をしたくてもやり方がわからないあなたへ
見出しで気を付けること
よく使われる見出しを8つほどお伝えしましたが、これらの見出しを使う時でも気を付けたいポイントをお伝えします。
1. 大きな文字でシンプルにする
目を細めないと読めない細かい字で、びっしりと見出しが書いてあったら・・・ それだけでうんざりしてしまいます。
「できるだけシンプルに、大きな文字で」ということが求められます。
A4サイズの紙を縦に使ってチラシを作る場合、最上段に3行くらいで収まるようにしましょう。
2. なるべく具体的にする
できるだけ売上に結び付けたいと思ったなら、メリットはより具体的に伝えましょう。
あいまいな表現は、あいまいなイメージしか伝えられません。その結果、スルーされる見出しになります。
例)皮膚トラブルを解消したいあなたへ → 改良)頑固なニキビを2日で治したいあなたへ
また、数字で表現できるなら数字を入れるだけで具体的になります。
例)費用を削って、売上を増やす集客方法 → 数字を入れる)費用を1/3にして、売上を3倍にする集客方法 → さらに改良)1日1000円の費用で、毎日30000円の収入をもたらす集客方法
具体的にすることで見てくれる人が少なくなるのでは? と危惧する必要はありません。
私たちは、誰かの具体的な話を聴いて、そういえば自分にも似たような経験があると共感できるからです。漫才なんか聞いていても、実際は自分のことではないのに、あたかも自分が当事者のように思えてくるのは、話し手が具体的に話すからです。
3. 思いつくままに列挙する
「よし、見出しを作ろう!」と考えても、なかなかアイデアが出てこず、思考がとまってしまうことは、よくあります。
そんな時は、自社の商品・サービスのメリットやターゲット層の悩みなどを思いつくまま列挙して、上の8つの見出しにうまく当てはめれないかなと考えてみます。
そうしているうちに頭が回ってきて、「これだ!」というものが出てくることはよくある話です。
また、見出しは1つ作ったからと言って、それで終わりとせず、少なくとも10個は作って、あとから選ぶようにした方がよいものができます。
【上級テクニック】見出しを「悩みに対する相手の認識レベル」に合わせる
ここからお話しすることは、さらに「見出し」の本質的なお話。
どういうことかというと、例えばあなたが100%オーガニックのダイエットクッキーを扱っているとして、「問題意識の高い健康マニア」と「健康を意識してない人」とでは、反応する見出しは違うものになるというお話です。
例えば「健康マニア」をターゲットにした場合、どんな見出しなら興味をもってもらえるでしょうか?
健康に関する知識が豊富。日常的に体に良いものを探してどんどん購入する・・・といった方には
「100%オーガニックのダイエットクッキーを先着10名様に50%OFFで」
といったオファー風のストレートな見出しにすることで反応する確率が高いと思われます。
オーガニックの食べ物は製造工程にも手間がかかり、一般的な食品よりも相場が高いのが普通です。それがその値段で買えて安いと思ってもらえれば、購入してもらえるでしょう。
しかし「健康に全く問題を感じていない人」だったらどうでしょうか?
そもそも自分の健康に関心がない人には、何を伝えてもスルーされるのが目に見えます。
それでは「ちょっとだけ自分の健康を気にしている人」ならどうでしょうか?
このところお腹がダブついてきた。でも運動するのは面倒だし。なんかいい方法ないかな? くらいの悩みを持っている方です。この人は価格面よりも「楽して痩せる方法」を探しているので、ダイエットクッキーが50%OFFと伝えるよりは、「痩せる方法があります」ということを伝えた方が反応が取れそうです。
そこで、例えばですが
「なぜ、ベルトにお肉が乗っかっていた同僚が、たったの2か月ですらりと引き締まったお腹になったのか?」
「ストップ!もう運動して痩せようなんて考えるのはやめましょう。」
といった見出しにしてみると、お腹のダブつきが気になっている人は見出しから続きを読んでくれるでしょう。
また、ストーリーにはどんな人でも惹きつけられる魅力があります。そこでストーリー風に見出しを書くという方法もあります。
例)私が2か月で痩せてみせると同僚に話したら、彼らは笑ったーーーしかし、2か月経ってみると・・・
このように、対象者の「問題に対する認識レベル」が高いほど、ストレートな見出しが有効になる場合が多く、「問題の認識レベル」が低くなるほど、ちょっとひねった変化球が必要になります。
しかし認識レベルが低くなるにつれて、見出しを作るのは難しくなります。直球ならすぐに投げられるけど、ナックルボールを投げるとなれば練習が必要といったところでしょうか。
このように単に「見出し」といっても、表現方法は星の数ほどあります。
そこで「どのような見出しにするのか」を絞り込むために、「悩みに対する相手の認識レベルを考える」のです。
まずは「認識レベルの高い人向け」に見出しを作ろう
「悩みに対する認識レベル」の項でお伝えしましたが、「全く問題意識がない人」には何を言ってもスルーです。
そのような方の興味をひきだすのはセールスライターと言えども並大抵ではありません。
そこでおすすめしたいのは、最初はなるべく「悩みに対する認識レベルが高い人」向けの見出しでテストしてみることです。
今回お伝えした「8つの見出し」はマニアほどの知識量はないにしろ、問題の解決策を知っている人、解決策を探している人に向けた見出しとなります。
『セールスとは悩みの解決』です。
自社の商品・サービスがどんな人のどんな悩みを解消できるのか。今まで購入してくれた人は、どんな悩みを持っていたのかを今一度考えて、メインのターゲット層にアプローチできる見出しを作ってみましょう。
まとめ
ここまで「見出し」について伝えてきましたが、見出しの目的は
人の注意を引き付け、見出しに続く部分にも目を通してもらう
ことです。
売上に結びつくのは、実際には「見出し」に続く本文になります。
ですが、まずは「見出し」が読まれないことには本文も読んでもらうこともできず、その結果、売上にもつながりません。
千里の道も一歩から。その一歩を踏み出してもらわなければ、目的地には届かないということです。
オグルヴィ氏が言いたかったことは
「見出しで売るのではなく、次を読ませるための見出しの重要性」
なのだと思います。