私がピアノの前に座ったら、彼らは笑っていた。
しかしピアノを弾き始めると!

アーサーはちょうど「ロザリー」を弾いたところだった。部屋は拍手で沸き返っていた。
これは私のデビューを飾るドラマティックな瞬間だと確信した。
友人すべての驚愕を前にして、私は自信たっぷりにピアノに向かって歩を進め、その前に座った。

「ジャックはトリックでもしようというのか」とくすくすと笑ったものがいた。聴衆も笑った。彼らは私が一音も弾けない思っていた。
「彼は本当にピアノが弾けるの?」と、ある少女がアーサーに向かって言っているのが聞こえた。アーサーは「神にかけてもいいが、彼は弾けないよ」と、叫んだ。「彼は人生で一音も弾いたことがなかったんだ・・・でも、見てみろよ。恰好はけっこうさまになってきているじゃないか。」

嘲笑のなか、シルクのハンカチを取り出し、ピアノの鍵盤の上のチリを軽くはらった。そしてちょうど、パデレフスキというピアニストが劇場でやったのを誰かがモノマネしたのと同じように、立ち上がって、ピアノのいすを4分の1回転させた。

聴衆の後ろのほうから「あれはいったい何の真似だ?」という声が聞こえた。
「おもしろいじゃないか!」と呼応する声があがり、聴衆一同、笑いのうずに巻き込まれた。

ピアノを弾き始めると

聴衆は水を打ったように静まり返った。笑いは魔法のように彼らの口から消え去った。リストの不朽の名作「愛の夢」の1小節目を弾いた。聴衆が驚きで息をのむのが聞こえてきた。私の友人は息ももらさず、引き込まれていた。

ピアノを弾き続け、その時は周囲の人間の存在を忘れていた。時間も場所も息も漏らさぬ聴衆のことも忘れていた。自分の住む現実世界が次第に薄れて――ぼんやりとしてきて、現実のものではなくなったように思えた。音楽だけが聞こえた。音楽と幻想だけがあった。かつて偉大な作曲家を呼び覚ました美しくて、変化に富み、風の中にただよう雲や漂う月の光の幻想だった。偉大な音楽家が私に話しかけているように思えた――音楽を通して語りかけているように――言葉ではなく音で語っているようだった。文章ではなくこの上なく素晴らしいメロディーをとおして。

完全なる勝利!

突然の拍手の嵐でへやが湧きかえり「愛の夢」の最後の部分はかき消されていった。私は興奮した聴衆に囲まれていた。友人がどれだけ興奮していたか!ある男性は私と握手をし――大いなる祝福を表し――熱狂的になって私の背中をたたいた。誰もが喜びの声をあげ、矢継ぎ早に質問してきた・・・。

「ジャック!なぜピアノが弾けるって今まで教えてくれなかったの?」・・・「どこで習ったの?」――「どのくらい習っていたの?」――「先生は誰?」

「私は一度も先生を見たことがありません」「ちょっと前まで全く弾けませんでした」と答えた。
「冗談だろう」と熟達したピアニストであるアーサーは笑った。「君は何年か習っていた。そうだよ。」
「私はほんの短期間習っていただけだ。」と言い張った。「私は聴衆のあなた方を驚かそうと思って内緒にしてきました。」としてすべてを話した。

「U.S.音楽スクールという名前を聞いたことがありませんか?」と聞いた。友人の何人かはうなずいて、「それって通信制の学校だったよね?」と叫んだ。
「そうだよ。」と答えた。「その学校では、たった数か月でノートだけを使ってどんな楽器でも弾けるようになるという新しく簡単に習えるようにした方式を取り入れているのです。」

先生なしでどうやってピアノの弾き方を習ったのか?

それから、私が何年もの間、ピアノにあこがれていたことを説明した。
「一日数セントだけで学習できる新しい方法をうたったU.S.音楽スクールの興味深い広告を目にしてから、わずかしか経っていないと思います。」その広告には、ある女性が家で暇な時間を見つけて――しかも先生なしで!――どのようにピアノをマスターしたかが書いてありました。何よりも、彼女が実践したその素晴らしい方法では、骨の折れるようなスケール(何オクターブかを往復して運指の訓練をすること)や――温かみの無い練習も――うんざりする練習も必要なかった。これはとても説得力があったので、無料デモレッスン申し込み用のクーポンに必要事項を書き込んで送った。

すぐに無料サービスの本が届いて、その夜すぐにデモレッスンを始めた。私はこの新しい方法でいかに簡単にピアノを弾くことができるかを知って驚嘆した。そして正式にレッスン教材を申し込んだ。

レッスン教材が届いたとき、広告が謳っていた通り、アルファベットのABCを習うくらい簡単だということがわかった。レッスンが進むにつれどんどん簡単になっていった。それがわかるまえでも、すべてのレッスン曲を弾いたし、とても楽しかった。何物も私を止められなかった。バラードもクラシックもジャズも同じように簡単に弾けた。音楽の特別な才能など全くなかったのに。

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どんな楽器も弾ける

あなたも、通常の半分の時間で――しかも自宅で――いますぐ熟練したピアニストになる練習ができます。どうやったら好きな楽器をノートだけで習得できるかすでに約50万人もの人たちにお見せした、この簡単な方法は間違いありません。あなたに特別な才能がなければならないという古びた考えは捨てましょう。パネルに書いてある楽器のリストを見て、どれを弾きたいか決めてください。そうすれば、あとのことはU.S.音楽スクールにお任せください。どの楽器を選んでいただいても良いということも心にお留めおきください。どれを選んでも料金は同じ――1日数セントです。初心者でもある程度熟練していてもかまいません。この新しく素晴らしい方法にご興味を持って頂けるでしょう。

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